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ダーマトグラフの巻き紙を剥がすとダークブルー。硝子窓に「否」と記してその様子を見ている。
遅い午後、新宿の信濃屋でダークエールを購入し、飲みながら北へ向かって歩いている。陽光が陰を描き、その質感が時間に変化を促している。
白濁した波と森の朝。ここに開けてある空虚、波動する白日のエーテル。相対性を失った音律、サーマル・ランナウェイ。
冬の夕暮れ。風が落としていく都市の影と、心の陰。
死因、詩韻。午前4時、改行して間もなく。
アンニュイとは、一時的に意味を拒否している状態。あるいはその、逆。
新宿駅15番ホームでGhost Phishing。乱像と鏡像が織り成す狂区。
日付の無い月日に空薬莢の転ぶ音。君の喪失は銃で撃ち抜かれたのさ。
リスボンに移住するのはどうだろう?あそこは気候も良いし、きっと君は蜥蜴のように元気を取り戻すぜ。
音がとてもよく聴こえる。例えば、それが幾何学的に聴こえる。鍋で炊いた米粒みたいに、音符が立ち上がってくる。
透明な滴が睦み合って、鈍色。
ギャラリー。その孤独な男は血の付いた針で漆黒の夜を縫い綴る。苦悩と創造を繋ぎ止めようとするかのように。
眼下にターミナル然とした駅、そして平行という関係性に縛られたホームと線路。しかし全く人がいない、いや、人がいないとその関係性ばかりが美しい。
誰もいない午後、減衰していくギターの音を聴いている。聴こえる、聴こえない。揺れる倍音の波間に、雨が降り続ける。
砂時計を見つめている。くびれたところを現在だと仮定すれば、時計を止めることができるような気がする。
この世界は砂時計とオイル時計の絶妙な比重の異なりをカウントしているに過ぎない。やがて破綻するロジック、混濁のハーモニー。
うなだれた街角から鈍色の空。ひどく底冷えする午後のコンクリート。コーヒー片手にふと、自転の速度を感じている。
虚しくはない。だが、結果的には虚しい。中野通りを過ぎれば否応なく環七が待っている、という感覚。
道端に咲く青色、赤紫色の紫陽花にはっとする。その非日常な色合いがどこか刹那的でうら悲しい、宇宙の生滅サイクルを掻き乱すようで。
風光り符号となって空に舞う。乱暴でロマンティックな、じめっとした夜の雨。
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